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 どんな仕事でもクライアントを知ることは大切です。それはヘッドハンターも同じです。企業の業績、競合、関連ニュースなどの情報はネットで調べられるので、クライアントとのミーティングでは、現状の課題、事業戦略・計画などを聞き採用したい人物像(実績のある人?将来性のある人?戦略的な人?実務的な人?多少強引でも決断が出来る人?周りを巻き込むのがうまい人?などなど)を絞り込んでいきます。

 一通り話を聞き終えた後、本当に聞きたい2つの質問をします。

 「なぜこの会社に入社したのですか?」

 「なぜこの会社に居続けることを選択しているのですか?」

 ほとんどの人がまず「え?わたし?」との反応。しばらく沈黙の後、ゆっくりと口を開いてそれぞれの思いを話してくれます。ここで話してもらえる内容は彼らが”準備”してきた回答でも、ネットで調べられる情報でもない自分自身の言葉で語る真実であり、会社の実情です。また、彼らはこの質問に答える時、わたしに向けてではなく声に出すことによって、その言葉を自分に聞かせているように感じます。

 「この会社はわたしが飽きないように、常にワクワクするようなチャレンジをくれるんだ。うん、そうだ」とかみしめるように言っていた大企業のエグゼクティブがいました。

 「わたしたちはすごい製品を開発したのにまだそれを知らない人がたくさんいる。もっと多くの人達に使ってもらい喜んで欲しいんだ」と目をキラキラさせて話してくれたベンチャー企業の社長もいました。

 また、数字上ではビジネスが順調に見える右肩上がりの成長企業でも、実は社員が歯車と化し疲弊しているケースもあります。そういった場合は、それまで勢いよく会社の話をしていた人が「なぜ……?」の質問をすると急に口が重くなって「……実は転職を考えているんですが、最近転職市場はどうですか?相談に乗ってもらえませんか?」といわれることも少なくありません。“業績が良くても社員が歯車と化し疲弊している”と分かっていたら「わたしが何とかしてやる!」という人(実際そういう人はいます)を探します。

 しかし“右肩上がりの成長企業”とだけ説明されてうのみにしていたら、本質的なニーズとは違うタイプの人を紹介してしまうかもしれません。逆に今はまだ業績が上がっていなくても明確な強みがあり、目標に向けて社員一丸となって明るく前向きに突き進んでいる企業もあります。数字という事実の奥にある真実を聞き出すことでクライアントの本質的な問題や採用ニーズに少しでも近づくことができるのではないかと考えています。

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