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 先週の記事、「この企業の人を採用したい」と言われる条件と少々関連しますが、欧米のクライアントは必ずと言っていいほど「直接の競合からエグゼクティブを引き抜いてほしい」とリクエストしてきます。欧米では、直接の競合他社は最も多いまた当然の転職先です。

 “競合他社に転職”これがなかなか日本人にはなじみません。

 昨日までA社の製品はB社の製品に比べていかに素晴らしいかとお客様に説明していた人が、次の日から逆の話をすることに大きな抵抗があるというのです。また、そんな人はお客様から信用されないといいます。

 外資系ネットワーク関連企業C社のCOOで米国人のDさんも「競合のE社(大手日本企業)はお客様やパートナー企業からとても評判がいいから、是非E社の優秀な人を引き抜いてほしい」とリクエストしてきました。「E社も含めて御社のニーズに合った人を探しますが、大手日本企業の人は競合他社への転職には難色を示す可能性が高いです」と言うと、Dさんがとても不思議そうな表情を浮かべたので「昨日までE社の製品がいいと言っていたのに今日からC社の製品がいいと言うことに抵抗があるから」と続けると、Dさんは「C社、E社どちらの製品もいい面も悪い面もあるよ。営業の“プロ”として自社の製品のいい面をアピールするのは変わらないでしょ。何が問題なの?」と聞いてきました。「まぁ、そうなんですけど……感情的な問題として……」と、うまく説明できないままミーティングを終えました。

 C社のニーズにマッチした経験を持つE社のFさんを見つけてお会いし、C社の案件をご相談しました。予想通りFさんは「C社ですか……直接の競合なのでちょっと難しいですね」との反応でしたが、競合他社の本社COOに会える機会はめったにないということでDさんにお会い頂くことになりました。

 お2人が会った後、DさんはFさんを大変気に入って「Fさんは素晴らしい!是非採用したい!」と大喜びしてくれました。Fさんはというと「Dさんはすごくいい人だと思うし、C社がとてもいい会社だということもよく分かりました。でも、やっぱり競合に転職するのはちょっと……」と、多少気持ちは傾いたものの、まだまだC社への転職に踏み切るにはいくつもの高いハードルがありそうでした。

 数日後Dさんから「帰国する前にもう一度Fさんに会いたい」と連絡がありました。少々嫌な予感がしたので「同席しましょうか?」と尋ねると「僕は世界中で役員クラスを採用してきたから大丈夫!任せなさい!」と自信満々でした。

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